" /> 15 大豆肉ってどうなん? | 雑記ブログ

15 大豆肉ってどうなん?

 大豆は畑の肉。そんな言葉があることは知っている。しかし今日に至ると、大豆は本当に肉として加工され、スーパーに並んでいたりする。大豆肉。それは大豆でできた肉。ヘルシーで美味しく、そして肉ではないが肉っぽい。肉が食べられない人も食べられるし、そして畜産と比較して環境にもよいらしい。次世代の肉として、今後も注目され続けるのだろう。もう少し値段が安くなれば、手が出しやすくなるのだが……。

「和牛か。いいなあ……」

「外で食べるとすごいことになるけど、コマ肉で自炊なら、たまには何とかなるよ。幸せな終末でした」

 購買で買った牛丼に力なく視線を落とす友人と、おにぎりをかじりながらにこにこと話す異性の友人の対比が面白い。牛丼はもちろん美味しいが、肉は外国産のもので和牛とは比べ物にならないだろう。にこにこと元気な表情で、今日は豪勢なランチだ、と喜んでいたスポーツマン然とした青年はそこにはもういない。どうも話題がよくなかったようだ。

「実は、和牛って家庭の味なんだよね」

「どんな豪勢な家だよ」

 憮然とした顔で突っ込みを入れる友人の、箸の進みは遅い。いつもはがつがつ、といった感じで食べるのに、今はもそもそ、という擬音が付きそうだ。女性の友人と表情が明暗に分かれている。……やっぱり少し面白い。

 それにしても、確かに和牛が家庭の味ってすごいな。

「実はお嬢様?」

「違うよ。普段から食べてたってわけじゃなくて、たまに父親が作ってくれたものを食べてたってこと」

「へー。俺のところにもあったなあ、父の手料理。うちはステーキチャーハンだった。前の晩に残ったステーキをつかったニンニクしょうゆ味チャーハン」

「うまそうだなそれ。俺も母の手料理ならぬ、父の手料理はあったな。豚からあげ丼ってのが」

「豚からあげ丼?」

 牛丼をほお張った友人に、女性の友人と自分の視線が向かう。

「豚からあげ丼って、どんなものなの?」

「そのまんまなんだけどな。レシピも覚えてる。親父が簡単でうまいから覚えろってことあるごとに言ってたから。豚肉に塩コショウして片栗粉まぶして油で揚げて、ざく切りした茄子も素揚げして、大根おろしを作って、あとはどんぶり飯に全部乗っけてポン酢をかける」

 脳裏にビジュアルが浮かぶ。……あ、これ絶対うまいやつ。

「何それ美味しそう。豚小間でもいいの?」

「いけたはず。親父が作ったやつはその辺結構適当だったと思う。……思い出したら食いたくなってきたな。でも揚げ物はハードルが高いんだよなー」

「そんなこともないと思うけどなあ。やっちゃえば大したことないよ」

「いやいや、それはない」

 首をかしげたのは彼女のみで、男ども二人はそろって首を横に振る。料理にまだ不慣れな身として、大量の油に火をかけるというそれ自体が、できればやりたくないことだ。ましてや、そんな油に何かを入れるなんてことは無理なのである。

 だって、跳ねるじゃん。絶対……。

「まあ、油の処理とか考えると面倒くさいかー」

 彼女の言葉に、もう一人の友人と視線が交錯し……そういうことにしておこうというアイコンタクトは一瞬で終わった。

「それにしても全部肉料理だね」

「肉は正義だからな」

「女子的には、ヘルシーという言葉も大事にしたいんだけど……」

 肉は脂があってこその正義、と個人的には思うが、ヘルシーな肉がないわけでもない。

 例えば、鶏のささみとかがそうだ。

「大豆肉は?」

 牛丼を食べ終わった友人が思いついたように言った。

「大豆肉で作ったパテでハンバーガー出す店とか、そういうのもあるだろ? ヘルシーなんじゃないのか?」

「前に聞いたことがあるんだけど、そうでもなかったような」

 地元の友人から聞いた内容を思い出す。

 大豆肉はその名の通り、大豆で作った肉だ。もともと畑の肉と言われるだけあって、豆腐ハンバーグといったレシピは昔からあった。とはいえ豆腐ハンバーグはそれほど肉っぽいわけでもない。大豆肉が肉と言われるのは、その食感だ。大豆をうまく加工して、筋肉の構造に近づけていることによって、肉の食感を生み出しているらしい。

 実は大豆肉は結構昔からあるらしい。しかし個人的にはあまり目にしなかったし、食べたこともなかったと思う。日清のカップラーメンに入っている謎肉が、実は大豆肉だと知って驚いた記憶があるが、それぐらいだ。……あれはかなり好きだけども。ゲームをして夜更かししたときの夜食でよくお世話になった。

 ともあれそんな大豆肉は、今ではかなり身近になって味もおいしくなっているらしい。代替肉ともいわれており、肉の代わり扱いとなるわけだが、世の中には肉という本物があるわけで、わざわざなぜ大豆肉を食べる必要があるのか、となる。

 友人から聞いた代表的なメリットは、次の通りだった。

 1,肉を食べない主義の人も楽しめる。ベジタリアンとかヴィーガンとか。ちなみにヴィーガンとは単純に肉や魚を食べないだけでなく、卵や乳製品も食べない人たち。ちなみに友人はベジタリアンだった。

 2,地球の環境に良い。牛のゲップが温暖化を促進するという話があるらしい。牛のゲップにはメタンが含まれていて、世界の温室効果ガスの約4%を占めているのだそうな。ちなみに、牛のゲップのメタンを減らすことのできるエサとかもあるらしい。

 3、常温で保存がきく。

 4、高たんぱくで低カロリー。もともと大豆なので、食物繊維も取れる。

 もちろんメリットだけでなくデメリットもある。

 値段がまだ高い。普通のお肉の方がまだ安い。ただしこれからどんどんと改良されていくだろうし、さらに低価格になっていくだろうたぶん。あとはハンバーグなど既に加工されているものは、低カロリーというメリットは消える。脂を足してジューシーにしているから。

「ジューシーな大豆肉ハンバーグかー。おいしそう。ちょっと食べてみたいなー」

「ヘルシーが聞いてあきれちゃうやつだ、それは」

「ヘルシーっていうなら、加工されてないやつがいいんだろうね」

 スーパーで売っている大豆肉製品には種類がある。加工品済みのものもあれば、レトルトタイプや乾燥タイプもあり、それぞれ特徴がある。

 加工品ならばそのまま食べられるし、レトルトタイプは普通の肉のように料理にすぐに使える。乾燥タイプは利用するためには水やお湯で戻して利用するため手間がかかるが、長期保存ができるし他の大豆肉よりも、比較的安くて場所も取らない。

「大豆肉はたべたことないから、乾燥タイプを試しにちょっと買ってみようかなあ。戻しも調味料につけてそのまま料理しちゃえばよさそうだし」

「少し大豆臭さがあるらしいから、濃いめの味付けの方がおいしく食べられるらしいよ」

 ベジタリアンの友人は、ミンチタイプの大豆肉で焼きそばを作ったとか言っていた。野菜を炒めるときに一緒に入れれば、野菜の水分を吸収して、さらにやきそばソースは濃いめの味付けになるから、臭みも気にならない。普通にお肉を使うよりも簡単だったりするらしい。

「家に肉がない時にお手軽に使えるのか。保存がきくのもメリット大きいな。確かに一度試してもいいかも」

 友人の言葉に自分もうなずく。

「俺も買ったことないから、ちょっと買ってみようかな。ブロックタイプやフィレタイプなんかもあるからいろいろな料理に使えるらしいし」

 そうと決まれば、今日にでもスーパーで覗いてみよう。自分が通うスーパーは、大豆肉は精肉売り場では売っていないので、普段目にすることもなかった。まずは探すところからだ。

 今後どんどんと進化していきそうだから、ちょくちょく様子を見るのも面白いかもしれない。

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