テレビをつけていると、なんとなく天気予報が聞こえてくる。今日は晴れるとか、午後から雨が降りそうだとかだけ、記憶に残る。「大気の状態が不安定」とか、「高気圧に覆われて晴れるでしょう」とか、そんな言葉は聞き流し、とにかく晴れるのか曇りなのか雨なのか、残るのはそれだけだ。もちろん、それで十分なのかもしれないが。
雨が降っている。日本では梅雨がなくなったように思わないでもないが、それでも梅雨の時期はあり、そして多少なりとも雨は降る。最近は一か所に集中的かつ大量に降ることも多く問題となっているが、今日の雨は梅雨らしい、しとしとと降る雨だ。
「雨だねー」
「雨だなー」
「こんな日は外出せずに、ずっとゲームでもしているのがよいと思うんだけどなー」
大学に複数あるコミュニケーションルーム、その一角に集まり、いつも通り弁当を広げる。同席するのはやはりいつも通りの友人が二人。
「家でずっと寝ていたい気分だよな。外出てもすかっとしないし。とはいえ、午前中講義があってきているわけだが」
真正面に座るのは、がっしりとした体つきをした男の友人。運動サークルに入っているというその友人も、同じように弁当を出している。どうやら中身はウインナー弁当だ。ミニトマトが添えられ、ご飯はのり弁になっている。
「今日は休講になったんだけど、お昼のためだけに来ました」
男の友人の隣に座るのは、自分には珍しい女性の友人。やはり弁当で、今日のメニューはかなり豪勢だ。焼肉弁当となっており、しかも牛タンだ。
昔、仙台に旅行に行ったことを思い出す。牛タンが有名だということでお店に入ってそのおいしさに驚いたが、その牛タンはアメリカ産であることを後日知ってさらに驚いたものだ。
「今日は午前中講義が合ったけど、お昼のためだけに来ました」
そう口にしながら、自分も弁当箱を取り出す。今日の自分の弁当の中身は……。
「いや、ダメだろそれは」
「また単位がピンチになるよ」
弁当のふたを開く間もなく、お二人より総突っ込みをいただきました。
わかってます。反省してます。
「以後気を付けます……」
単位がピンチの時の苦しさは、まだ自分の中でも新しい。故意にさぼろうという気には、今のところなってはいない。
今日図らずもさぼってしまったのは、単純に寝坊したからだ。スマホ充電器のケーブルが外れており、充電が切れていることに気づかず、目覚ましアラームという存在がなかった結果だ。
一人暮らしの弊害だ。誰も起こしてくれない。一度自然に目が覚めたが、アラームがまだなってないな、と二度寝したのもよくなかった。外は薄暗く、まだ早い時間だと思ったというのもある。つまり雨で天気が悪かったのも要因の一つだ。
「外暗かったし、二度寝しちゃったんだよね」
「今日は朝から雨だったことは、天気予報でやってたろ」
……はい、その通り。でも聞き流してました。ええそうです。ただの言い訳です。
「そ、それにしても天気予報って当たるよね?」
「ん? ああ、そうだな」
「最近は線状降水帯の発生とか、結構重要だよね……」
あからさまな話題変更だったが、二人とも乗ってくれた。
だが確かに天気予報はよく当たるし、そしてとても重要だ。
そもそものところ、天気予報は特定の地域や時間帯において、未来の天候状況を予測する情報のことだ。一般的な天候状態(晴れ、曇り、雨など)や気温、湿度、風速、降水確率などの詳細な情報が、それには含まれる。これらは気象学的なデータやモデルに基づいて作成される。つまり、観測データや気象レーダー、衛星画像、数値予報モデルなどの情報を解析し、予測結果を算出する。通常は数日から1週間程度の予報が一般的で、短期的な予報では数時間先の予測も行われたりする。その予報精度は、一般的に8割を超えるそうだ。
天気予報は多くの分野で重要な情報として利用される。自分たちに一番影響があるのは日常生活に関するものとなるが、他にも農業、航空業界、観光業などに必要なものだ。多くの人が天気予報を参考にして、服装や行動計画、交通手段の選択をする。
「何気なく触れていて、当たり前のようにあるけど、すごく重要だよね」
「でもあまり深くは理解してないなあ」
「同じく。最近一般教養の講義関連で調べたよ、用語。かなりわかってなかった」
普段天気予報を何気なく聞き、何気なく理解をしているが、そこで使われている用語は何となくでしか意識していなかった。たとえば、『晴れのち曇り』、『晴れ時々雨』、『晴れ一時雨』で使われている、『のち』、『時々』、『一時』とか。
ちなみに『のち』、は前と後で天気が変わるとき。『時々雨』は断続的に雨が降り、予報期間の1/2が雨のとき。『一時雨』は連続的に雨が降り、それが予報期間の1/4のとき。『ところにより雨』は、予報範囲の半分以下で雨が降るとき。
こんな定義、知りませんでした。
あとよく聞く「大気の状態が不安定」も、その意味を知らなかった。どうやら局地的な対流活動が起こりやすいことを言うらしい。上空に寒気が流れ込んだり、下層に暖かく湿った空気が入った場合に生じることが多く、つまりは積乱雲や雷雨、大雨などの激しい天候現象が予想される場合に使用されるのだとか。
用語自体は、基本的に「明確さ」、「平易さ」、「聞き取りやすさ」、「時代への適応」 を念頭に見直していっているらしい。おかげでよくわからないままでも困ってないわけだ。雰囲気でなんとかなっていました、はい。
「最近は線状降水帯とか、ゲリラ豪雨とか、怖いよね」
「線状降水帯は予測できるらしいけど、ゲリラ豪雨は予測が難しいみたいだからな」
「水害が多くなっているイメージ……」
天気予報はしっかりと見て、聞こう。
きっと寝坊することも減るはずだ……。


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