電気は科学文明の礎だ。どのような素晴らしい技術で作られた道具も、電気なくしては動かない。テレビも、洗濯機も、冷蔵庫も動かない。パソコンだって動かないし、ゲームだって動かない。電子レンジだって動かなければ、扇風機だって動くはずもない。暮らしを便利にする家電の数々は、電気をエネルギーとしてうごくのだから、仕方がない、しかしその電気代が、高い。今はまだ暖かいからいい。これが冬場となれば暖房が必要となる。一年で最も電気代が高くなる時期だ。今から恐ろしい。
「実家じゃ気にしたことなかったなあ」
電気代の領収証を見ながら、そんなことをぼやく。
大学に通うため、一人暮らしを始めてしばらくが経った。自分一人だけの部屋を手に入れ、だれにも邪魔されることなくゲームができ、悠々自適な生活が送れるなと思っていたのは最初だけ。予算がない中での生活はそれなりに気を遣うことが多いし、また自由とは責任が伴うことであるとも理解した。要は炊事洗濯が面倒だということだが。家族全員分をこなしていた母には感謝だ。
大学生活自体は楽しい。自分とはタイプの違う友人もできた。毎日ランチを共にする友人たちとは、なぜかわからないが馬が合う。それも二人の内一人は女性だ。高校時代の自分を思うと信じられない。
高校の時は言っては何だが、ボッチだった。人とかかわるよりもゲームの方が楽しかったし、ゲームだって誰かと一緒にやったりすることもなく、一人でやるものが好きだった。特にストーリーのあるものが。
そんな自分が見るからにスポーツマンというタイプやおっとり系の女性を友人にするなど、高校生の時には想像すらしていなかった。しかし彼らが今の大学生活を楽しくしてくれているのだという自覚はある。
ゲームは楽しいが、彼らと一緒にいるのも楽しいのだ。
「36.85円/kWhか……」
楽天でんきの料金を確認する。2023年よりも7円ほど上がっている。これから夏が来るとエアコンを使うようになるかもしれない。そうなればますます電気代がかかる。手元にある予算は限られている。電気代が高くなったからと言って仕送りが増えるわけでもなく、何とかやりくりしなくてはならない。
ちなみに電気代の計算方法は、「1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)」となる。この式に当てはめて計算すると、ゲームでかかる電気代はだいたい1時間5円ほど。毎日8時間やると仮定すると一か月\1,200円。TVも含めて考えるとその倍か。もちろん実際はここまでいくとは思わないが、自分としては削れない電気代だ。
ではどこで節約するか。例えばユニットバスにある電球。これをつけないで生活するとどうなるだろう。
この電球が60Wとして、1日1時間つけるということにしよう。そうすると60W×1時間で60Wh。kWにするために1000で割ると、0.06kW。それに36.85円をかけると、、電球1日あたりの電気代は、大体2円ぐらい。1か月を30日とすると、60円。電球が10個や20個あるようなら大きいかもしれないが、一つだと微々たるものかもしれない。
そうなるとやはり、大物はエアコンか。部屋に備え付けられているエアコンを適当に消費電力650Wとすると、1日8時間利用で5200Wは5.2kWh。36.85円をかけると、200円ぐらい。1か月30日計算で、6000円ぐらい。これはでかい。エアコンはいざというときだけに利用し、普段は別の方法で暑さ寒さをしのぐのがいいだろう。
「夏は水風呂に入ったり、部屋の換気をよくしたりでしのげるかな」
とくに水風呂はよかった。昔は井戸水で行水することで涼をとったらしいが、似たようなものだ。汗も引くし身体も冷えるし気持ちもいいしでいいことずくめだ。
問題は冬だ。部屋の中でずっと毛布や布団をかぶっているわけにはいかない。動きにくいことこの上ない。
では普通に厚着をするかとも考えたが、部屋の中であまり厚着をしてはくつろげない。
そんなことを考えていたが、良いものがあることを知った。
その名も、着る毛布。
これこそが、冬場の救世主かもしれない。値段はエアコンの電気代約1か月分。
エアコンを使っていた方がよかった、とならずにしっかりとリターンしてくれるだろうか。


コメント