AI。それは人口が減少する現代日本にとって生産性向上を実現するための重要な要素の一つ。有名なのはChatGPTだろう。生成AIの一つで、世界中で利用が進んでいる。しかし時にAIは、様々な映画で、人間の強大な敵として立ちはだかったりもする。
「というわけで、今日の食事はなんちゃっておじやです。明日は日曜日なので、一切固形物は食べない予定」
「ふーん。ファスティングねえ……」
今日も今日とて、いつものベンチにいつもの3人でランチだ。そこでメガネの友人が珍しくスープジャーなんてものを持ってきたと思ったら、そこに少量のご飯を入れて、今日のランチはそれで終わりらしい。
自分なら絶対に足りないし、腹が減って大変だと思う。
「……普通に体動かせばいいんじゃないかって思うけど」
隣に座るもう一人の友人に水を向ける。ダイエットということになれば、女性のほうが身近なイメージだ。
「そうだねー。私はどちらかというと摂取したカロリーは使い切るタイプだけど……。でもファスティングってダイエットだけじゃなくて、デトックス効果もあるっていうから、そういう意味ではいいかも」
「そうそう。それもある」
女性の友人の言葉に笑みを浮かべながら、眼鏡の友人はうなずいた。
「身体から悪いもの出てってほしい。筆頭は脂肪だけど」
「不摂生な生活してそうだもんなあ。少しは身体動かしたほうがいいぞ?」
「食べて、大学行って、ゲームして寝る毎日だからね」
「運動しろって」
少しだけ心配しての言葉だったが、へらへら笑っているだけだった。うん。しないな。
「ゲームで運動するやつもあるらしいよ」
隣の友人がスマホを見ながらそう口にしながら、スマホの画面を見せてきた。そこに映っていたのは、『ゲームばかりで運動しない友人に、健康のため運動をさせたいです。どうすればいいでしょうか。』という文と、それに回答されている様々な文章。誰かとのチャットかと思ったが、よく見るとChatGPTと書いてる。どうやら生成AIに相談したようだ。
生成AI、つまりGenerative AI(ジェネレーティブAI)のことだ。生成AIにはいろいろとあるが、ChatGPTは文章生成AIだ。まるで人間とやり取りしているかのように会話ができるし、年々機能も上がっている。自分の知らないことを聞いてみたり、自分の考えを整理したい、もしくは相談したいときにとても有用だ。
ただし注意点もある。ChatGPTは、過去の情報しか知らない。これまでの情報を学んで回答しているからだ。また、時折嘘もつく。ChatGPTが本当だと誤って理解していることがあるからだ。
生成AIの利用はどんどんと加速している。生成AIには文章生成だけでなく、画像の生成、動画の生成など様々な種類があり、それが生活やビジネスのためにどんどんと利用されているのだ。そしてスマホさえあれば、そんな生成AIが気軽に使える。
それはともかく。
「ほら、スマホで歩く系のゲームとかもあるじゃない?」
彼女のChatGPTへの質問は続いている。回答内容を箇条書きに、10行ほどと入力したところ、以下が出力されていた。
・「健康のため」ではなく「ゲーム化」して誘う
・歩数や回数をクエスト化する(デイリーミッション方式)
・ご褒美やランキングで達成感を作る
・ゲームに運動を組み込む(例:デス=腕立て10回)
・フィットネスゲームを一緒にやる(例:リングフィット アドベンチャー)
・外出系ゲームで歩かせる(例:Pokémon GO)
・「一緒にやる」ことを最優先にする
・ハードルは極限まで下げる(まずは5分)
・否定や説教はしない(逆効果)
・本人のやる気が出るタイミングを待つ
「そういうのはあまり興味ないんだよね」
「家でやるゲームもあるのかな? りんぐふぃっとあどべんちゃー、とか」
「それも興味ないなー」
「そっかー。じゃ、しょうがないねー」
彼女の視線が、箇条書きの最後をなぞったのが何となくわかった。
まあ、最後は本人のやる気だよな。やる気になってるファスティングの結果を、今度教えてもらおう。


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